この記事を読むとピックルボールのサーブのルールと打ち方が分かります。サーブはこの競技で唯一「完全に自分のペースで打てる」ショットで、覚えることは3つだけ——腰より低い打点のアンダーサーブ・対角のサービスコートへ・1人1本。2022年に正式ルール化された「ドロップサーブ」なら、初心者でもフォルトの心配がほぼありません。基本ルールからフォルト集、狙いどころまで1本にまとめました。
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サーブの基本ルール——合法サーブの3条件
ピックルボールのサーブはテニスと違い、上から叩くことができません。ボレーサーブ(ノーバウンドで打つ通常のサーブ)の場合、合法となる条件は次の3つです。
| ① アンダーハンド | 腕は下から上へのスイングで打つ |
|---|---|
| ② 打点は腰より下 | ボールを打つ瞬間の打点がウエスト(へその高さ)より低いこと |
| ③ パドルヘッドは手首より下 | 打球時にパドルの先端が手首の最も高い位置より下にあること |
打つ場所にもルールがあります。両足をベースラインの後ろに置き、対角線上の相手サービスコートに入れます。このとき、相手側のキッチン(ノンボレーゾーン)とキッチンラインにバウンドするとフォルトです。一方、ベースライン・サイドライン・センターラインに乗るのは有効——覚え方は「キッチンラインだけがアウト」です。コート全体のルールはルール完全ガイド(図解つき)にまとめています。
サーブ権は1人1本(テニスのような2本制ではありません)。ダブルスでは1回のサーブ権で自分とパートナーがそれぞれサーブでき、得点できるのはサーブ側だけです。
ドロップサーブ——2022年に正式ルール化された初心者の味方
ボールを地面に落とし、バウンドさせてから打つのがドロップサーブです。USA Pickleballが2021年1月に暫定ルールとして導入し、2022年に暫定の扱いが外れて正式ルールになりました。なお日本ピックルボール連盟の公式ルールページでは、現在も「2021年の暫定ルールとして導入」と紹介されています。ドロップサーブには大きな利点があります。
- 3条件の制約を受けない:バウンド後に打つ場合、打点の高さやパドルの位置の制約が緩和されるため、フォームを審判や相手に指摘される心配がほぼなくなります
- タイミングが取りやすい:トスの失敗がなく、卓球やバドミントン経験者でも違和感なく打てます
- 注意点は1つだけ:ボールは「落とす」こと。手で投げつけたり、パドルで弾ませたりして勢いをつけるのは反則です。自然落下したボールを打ちます
初心者はまずドロップサーブで確実に入れることから始め、慣れてきたらボレーサーブで深さと速さを追求する——という順番が、現行ルール下での最短ルートです。なお、打つ前に手でボールに回転をかける行為(スピンサーブ)は現行ルールで禁止されています。
サーブの種類——4つの打ち分け
ルール上サーブは1種類ですが、打ち方には型があります。どれもアンダーハンドの3条件(またはドロップサーブ)の範囲内で打ちます。
| 種類 | 特徴 | 向いている場面 |
|---|---|---|
| ドロップサーブ | 落としてバウンドさせてから打つ。打点とパドル位置の制約を受けない | 初心者。フォルトを避けたいとき |
| ドライブサーブ | 低い弾道で速く深く。相手に構える時間を与えない | 相手の返球を浅くさせたいとき |
| ロブサーブ | 高く弧を描いて相手コート深くへ落とす | 相手を後ろに下げたいとき。風の影響を受けやすい |
| スライスサーブ | 横回転をかけてバウンド後に曲げる | 相手の体から逃げる方向へ曲げたいとき |
最初に身につける順番としては、ドロップサーブで「入れる」ことに慣れてから、深さを出すドライブサーブへ進むのが無理がありません。回転系は入るようになってからで間に合います。
どこに打つか——深く、バックハンド側へ
サーブで一発エースを狙う必要はありません。ピックルボールのサーブの目的は「相手に浅い返球をさせて、3打目(サードショット)を楽にする」ことです。優先順位は次のとおりです。
- まず入れる:サーブミスは相手に何もさせずに1本失う最悪の失点です。成功率9割を切るうちは強打しない
- 深く打つ:ベースライン際まで深いサーブは、それだけで相手の返球が浅くなります。ネットすれすれを狙うより「高めの弾道で深く」が安全で効果的
- 相手のバックハンドへ:多くのプレーヤーはバックハンド側の処理が苦手です。相手の左肩(右利きの場合)を目印に
グリップはディンクとボレーのガイドと同じ「包丁持ち」が基本。初心者は手首をまっすぐ固定して押し出すように打ち、回転をかけたくなったら手首の角度づくり(上級テクニック)に進みます。
やりがちなフォルト集
- キッチンラインにバウンド:サーブに限り、キッチンラインは「ライン上=フォルト」。他のラインと逆なので要注意
- 足がベースラインを踏む:打球の瞬間にラインを踏んでいるとフットフォルト
- 打点が腰より高い(ボレーサーブ時):強く打とうとして打点が上がるのが初心者の典型。迷ったらドロップサーブへ
- 間違ったコートへのサーブ:得点が偶数なら右側から、奇数なら左側から。スコアと立ち位置のズレに気づかず打つとフォルトです
- コール前に打つ:スコアのコール(自分の点・相手の点・サーブ権の順)を言い終えてから打ちます
練習法とスコアのコール
ターゲット練習:相手コートのバックライン1m内側にタオルや養生テープで目印を置き、10本中7本を目標に深いサーブを繰り返します。コートが取れない日は、壁までの距離をベースライン〜ネットに見立てた素振り+トスなしのドロップサーブ再現でフォームを固められます。
スコアコールの練習も忘れずに:ダブルスのコールは「自分の点数・相手の点数・サーブ権が1人目か2人目か」の3つの数字(例:「2-1-2」)。ゲーム開始時だけは「0-0-2」から始まる特殊ルールです。声に出す練習をしておくと、初めての練習会でまごつきません。詳しくはルール完全ガイドへ。
サーブは自宅の庭や駐車場でも練習しやすいショットです。練習環境を作るならネットの選び方・代用ガイドで、規格サイズと安く済ませる方法を紹介しています。
よくある質問
サーブは2本打てますか?
打てません。ピックルボールのサーブは1人1本です。ミスすればそのままサーブ権が移る(ダブルスならパートナーへ、2人目なら相手へ)ため、確実に入れることが最優先です。
ドロップサーブとボレーサーブ、どちらがいいですか?
初心者にはドロップサーブが向いています。2022年に正式ルール化されており、打点やパドル位置の制約が緩いためフォルトの心配がほぼありません。安定して入るようになったら、より深く速いボールを打ちやすいボレーサーブという段階になります。
サーブがキッチンラインに当たったらどうなりますか?
フォルト(サーブ側のミス)です。サーブに限り、キッチン(ノンボレーゾーン)とその境界線は「入れてはいけないエリア」。ベースライン・サイドライン・センターラインへのオンラインは有効で、ここが混同しやすい点です。
出典・一次情報
ルールは改定される場合があります。大会出場時は主催者が採用するルールバージョンをご確認ください。